なぜ栄養補給が大切なのか？

妊活中の方にとって、栄養バランスの取れた食事は健康な赤ちゃんを授かるための第一歩です。葉酸などの栄養素を十分に摂取することで、妊娠初期の赤ちゃんの発育をサポートします。また、栄養バランスの良い食事はホルモンバランスを整えて、妊娠しやすい体を作り上げます。さらに、不足しがちな栄養素を補い、体の状態を最適化するといった目的もあります。

妊活中の栄養補給は女性だけでなく、男性にとっても重要です。妊娠に大きく影響するため、夫婦二人で栄養管理に取り組むことが理想的といえます。

夫婦で取り組むメリット

栄養の相互補完

必要な栄養素は夫婦それぞれ異なります。夫婦で協力することでお互いを補い合い、よりバランスのよい食事ができます。

精神的な支え

妊活はストレスを感じやすいものです。夫婦で励まし合い、支え合うことで、心身ともに健康な状態を保てます。

生活習慣の改善

夫婦で取り組むことで、お互いの生活習慣を見直す機会になります。生活習慣の改善は、妊娠しやすい体を作ります。

男性不妊への対策

男性の不妊も、妊娠を妨げる大きな要因です。夫婦で一緒に健康的な生活を送ることで、男性不妊のリスクも軽減できます。

夫婦関係の強化

妊活を通して、夫婦間のコミュニケーションが深まり、絆が強まります。

サプリメントは食事の補助に

バランスのよい食事に加えて、サプリメントを活用することもおすすめです。選び方のコツとしては、妊活中に摂取したい葉酸や鉄分、カルシウムなどの栄養素が含まれているか、コスパはいいかなどがチェックポイントです。ただし、サプリメントに頼りすぎるのではなく、基本的に食事から栄養を摂ることを心がけるようにしましょう。

女性向け：葉酸、鉄分、カルシウムなど

妊活中の女性にとって、葉酸、鉄分、カルシウムは積極的に摂取したい栄養素です。これらの栄養素は、妊娠初期から赤ちゃんの健やかな発育に欠かせません。

まず、葉酸は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを低減する役割を担います。妊活中から妊娠初期にかけて、1日400μgの摂取が推奨されます。鉄分は、妊娠中の貧血予防に重要です。妊娠中は血液量が増加するため、鉄分の需要が高まります。カルシウムは、赤ちゃんの骨や歯の形成に不可欠です。妊娠中は母体から赤ちゃんへカルシウムが供給されるため、十分な摂取が求められます。

男性向け：亜鉛、ビタミンE、セレンなど

男性が妊活をするうえで特に重要な栄養素には、亜鉛、ビタミンE、セレンなどがあります。

亜鉛は牡蠣、レバー、ナッツ類などに含まれる栄養素です。亜鉛が不足すると、精子の数が減少したり、運動能力が低下したりする可能性があります。アーモンドや植物油などに多く含まれるビタミンEは、抗酸化作用を持つ栄養素として知られています。精子は酸化ストレスの影響を受けやすいため、ビタミンEの摂取は精子の質を保つうえで重要です。

セレンも亜鉛と同様に精子の生成に関与する栄養素です。セレンが不足すると、精子の運動性が低下する可能性があります。ブラジルナッツ、マグロ、卵黄などに含まれています。

男女ともに摂取したい栄養素

妊活中の男女ともに大切な栄養素として、アルギニンがあります。成長ホルモンの分泌をサポートし、血流の改善にも欠かせない成分です。女性の場合、子宮動脈の血流が良くなると、子宮内膜が厚くなりやすく、受精卵も着床しやすくなります。一方、男性については、成長ホルモンの分泌による精子数の増加や、運動性の向上などが期待されます。

アルギニンは非必須アミノ酸の一つで、体内で作ることができます。ただし、生成される量は少ないため、不足分を食事などで補う必要があります。大豆製品やナッツ類、鶏肉・豚肉、マグロなどの食品をバランス良く摂取することがポイントです。

食事だけでこれらの栄養素を十分に摂取するのは難しい場合もあります。そのような場合は、サプリメントの利用を検討するとよいでしょう。

バランスの取れた食事の重要性

妊活中の食事は、未来の赤ちゃんのためにも、夫婦の健康のためにも重要です。バランスの取れた食事は、妊娠しやすい体づくりをサポートする第一歩となります。

五大栄養素をバランスよく

私たちの体は、五大栄養素と呼ばれるタンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルから構成されています。これらの栄養素をバランス良く摂ることで、ホルモンバランスを整え、元気な卵子や精子を作る手助けになります。

• タンパク質：筋肉や細胞を作るために必要で、肉・魚・大豆製品などに含まれる
• 炭水化物：ご飯・パン・麺など、エネルギー源として大切
• 脂質：ホルモンの材料で、魚・ナッツ・オリーブオイルなどに多く含まれる
• ビタミン：野菜や果物などに含まれており、体の様々な働きをサポート
• ミネラル：骨や歯を丈夫にする栄養素で、海藻や乳製品などに豊富

栄養の偏りはNG！

栄養バランスが大切とはいえ、特定の栄養素ばかりを摂ることは避けましょう。例えば、鉄分を摂り過ぎると、便秘の原因になることも。過剰摂取に注意し、栄養バランスの良い食事を心がけることがポイントです。

妊活中の食事について不安な点や疑問点があれば、産婦人科医や栄養士などに相談してみましょう。専門家に相談することで、体質や状況に合わせた食事のアドバイスを受けることができます。

運動と休息のバランスも大切

妊娠を希望される方は、運動と休息のバランスを意識することが大切です。

運動で体を活性化

ウォーキングや水泳、ヨガ、ストレッチなど、軽度から中程度の有酸素運動を週3～5回、30分程度行うのがおすすめです。これらの運動は血行を促進し、心身をリフレッシュさせます。ただし、激しい運動や長時間の運動は、かえって体に負担をかけてしまうかもしれません。無理のない範囲で運動を行うことが大切です。

休息で体を休ませる

質の高い睡眠は健やかな体を保つために重要です。個々によって睡眠時間の目安は異なりますが、一般的に7～9時間の睡眠を確保することが推奨されます。規則正しい睡眠リズムを心がけ、寝る前のスマホの使用は控え、リラックスできる環境を整えましょう。

また、日中の休憩も大切なポイントになります。1日の中で15～20分程度の短い休憩時間を設け、仮眠を取る、深呼吸をする、好きな音楽を聴くなどの方法で、心身をリフレッシュさせます。

運動と休息のバランス

運動と休息はどちらか一方だけでなく、両方をバランス良く行うことがコツです。以下の例を参考に、ご自身のライフスタイルに合ったスケジュールを立ててみましょう。

運動と休息のバランスを意識した生活は、心身の健康維持にもつながります。無理なく続けられる運動を見つけて、リラックスできる時間を大切にし、健やかな毎日を送りましょう。

ストレスを軽減して心身ともに健やかに

妊娠を希望する方にとって、ストレスは大きな負担となります。過度なストレスはホルモンバランスを乱し、妊娠を妨げる懸念があります。夫婦で協力してストレスを軽減し、心身ともに健康な状態を保つことが大切です。

リラックス法の実践

深呼吸やヨガ、瞑想など、自分に合ったリラックス方法を日常的に取り入れてみましょう。アロマオイルを焚いたり、温かいお風呂にゆっくりと浸かるのもおすすめです。

趣味の時間を楽しもう

好きな音楽を聴いたり、読書をしたり、自然の中で過ごしたりと、心身のリフレッシュになるような時間を作りましょう。夫婦で一緒に楽しめる趣味を見つけ、楽しい時間を共有するのもおすすめです。

コミュニケーションを大切に

パートナーと日頃からコミュニケーションを取り、お互いの気持ちを理解し合いましょう。悩みや不安なことがあれば一人で抱え込まず、信頼できる人に相談することも大切です。

妊活は長い道のりになるかもしれません。しかし、焦らずにパートナーと協力し、周囲の人のサポートも受けながら目標に向かって進んでいきましょう。